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上棟式とは?

家を新築すると上棟式を行いますが、上棟式という言葉は知っていても、具体的にどんなことをするのか、知らない人がほとんどではないでしょうか。
この記事では、上棟式の意味や上棟式の流れについてご説明いたします。

上棟式とは

上棟式は、鏡餅やお神酒などを神様に供え、建物の無事を願って行われます。新築住宅の柱や梁などの、骨組みがおおよそ出来上がった時点で、棟木(むなぎ)と呼ばれる一番大きな梁を上げる際に、行われる儀式です。上棟式はもともと、木造建築の際に行われていたものですが、鉄筋コンクリートのビルでも、主な構造が出来上がったタイミングで行われます。

上棟式は神道、仏教を問わず行なわれており 、日本だけではなく海外にも 、似たような儀式があるようです。
たとえば、デンマークでは家の骨組みが完成した時点で常緑樹の枝葉をリースのように丸くして作った飾り物と、デンマークの国旗、リボンやテープを家の一番上に飾ります。

ドイツの上棟式はデンマークに似ていて、丸い輪状のリースとカラフルなリボンを屋根の上に飾ります。また、リースの代わりに王冠のような飾りや、クリスマスツリーのようにカバノキを飾ることもあります。ただし、デンマークのように国旗は飾りません。

アメリカの上棟式は、基本的にはデンマークやドイツと同じで、骨組みができた時点で常緑樹の飾りをつけます。
上棟式と似たものに、「地鎮祭」があります。

地鎮祭は新築工事に取り掛かる前に行われ、上棟式は家の骨組みができた時点で行われる儀式です。どちらも工事の無事を祈って行われます。

上棟式は新築工事の重要ポイント

上棟式では、棟木を上げてすべての柱と梁を屋根と結合させます。棟木を上げることによって、家の骨組みがしっかり出来上がるので、新築住宅工事の重要なポイントとなります。棟上げの日は、他の現場の大工さんたちも総がかりで手伝うので、現場で作業する大工さんたちにとっても、棟上げは大きなイベントであり節目なのです。

上棟式も簡素化

上棟式は歴史が長いため、形式を重視して行われていましたが、最近では簡略化された形で、上棟式を行うケースも増えています。形式的な部分はできるだけ除外して、施主が工事関係者に感謝の言葉を伝えたり、お菓子やご祝儀などを渡すだけの場合も多いようです。

しかし、たとえ簡略化されていても、そこが新築工事の1つの節目となるのは、本来の上棟式と変わりません。このように、上棟式を行うことによって、工事関係の皆様と施主との間でコミュニケーションを取ることができ、残りの工事も気持ちよく進めてもらうことができます

上棟式の前に準備すること

上棟式を行う前に、以下の準備が必要です。間近になって慌てることがないよう 、早めに取り掛かりましょう。

儀式で使うものを準備する

上棟式には、神酒や粗塩、洗米などが必要です。棟木に貼る御幣や棟札なども含め、必要なものはすべて施主が準備します。棟札などは、施工会社が用意してくれる場合もありますが、行き違いがないように事前に確認しておくと安心です。
上棟日は大安、友引、先勝、先負などの、縁起のいいとされている日を選んで行われます。

上棟式当日

棟上げは夕方には終わるように、スケジュールが組まれます。上棟式は、大勢の人のスケジュールを調整して日程が組まれるので、少しくらいの雨なら決行されます。

上棟式の流れ

1.上棟式は、棟木に棟札を貼るところから始まります。

2.それから「四方固めの儀」といって、施主と棟梁が家の四隅に酒、米、塩をまく儀式を行います。

3.次に「直会(なおらい)の儀」が行われ、施主が挨拶して乾杯します。この席で、施主は棟梁をはじめとする、工事関係者を出席者に紹介します。その後、施主から工事関係者などに、ご祝儀やお菓子などを手渡します。

上棟式は、施主とその家族も出席して行われる一大イベントです。自分たちの住む家の骨組みが出来上がり、大勢の人たちが集まって祝ってくれる光景は、いつまでも心に残るに違いありません。

「四方固めの儀」の様子