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実りと文化を味わう季節へ――日本と世界の10月の祝日比較:スポーツ・学び・伝統にふれる秋

1. 日本の10月の祝日:身体を動かし、自然と親しむ月

スポーツの日(旧・体育の日) 英語表記:Sports Day 日付:2025年10月13日(月曜日・ハッピーマンデー制度)

スポーツの日は、「スポーツに親しみ、健康な心身を培うこと」を目的とした祝日です。もともとは1964年の東京オリンピック開会式を記念して10月10日とされていましたが、現在は10月の第2月曜日に移動しています。
学校では運動会が開かれ、地域でもスポーツイベントが開催されるなど、体を動かしやすい秋の気候とマッチした祝日です。健康寿命や身体活動の重要性を見直す日でもあり、全世代で楽しめる祝日です。

2. 世界の10月の祝日:文化・伝統・宗教が交錯する月

ドイツ ― 統一の日(Tag der Deutschen Einheit) 英語表記:German Unity Day 日付:10月3日

英語表記:German Unity Day
日付:10月3日

1990年に東西ドイツが再統一された日を記念する祝日です。ベルリンでは記念式典やパレードが行われ、政治的にも歴史的にも大きな意味を持つ祝日です。
自由や平和、統一の象徴とされ、ドイツ国民のアイデンティティを強く意識する日でもあります。毎年開催地が異なり、その都市の文化も紹介されるのが特徴です。

アメリカ ― コロンブス・デー(Columbus Day) 現地語:Columbus Day 日付:2025年10月13日(第2月曜日)

アメリカ大陸を「発見」したとされるクリストファー・コロンブスの上陸を記念する祝日です。1492年の出来事にちなみ、イタリア系移民を中心に祝われてきました。
しかし現在は、先住民への影響や歴史的評価を見直す動きもあり、一部の州では「先住民の日(Indigenous Peoples’ Day)」として祝われています。

インド ― ガンディー・ジェヤンティ(Gandhi Jayanti) 日付:10月2日

インド独立の父、マハトマ・ガンディーの誕生日を祝う国家的な祝日です。暴力を否定する「非暴力の日」とも呼ばれ、学校や政府機関では平和への誓いが立てられます。
酒類販売が禁止される日でもあり、祈りや教育活動を通じて「非暴力と真理」の理念を次世代に伝える意義ある祝日です。

韓国 ― ハングルの日(한글날) 日付:10月9日

1443年、世宗大王によりハングルが創製されたことを記念する日で、韓国語文化の象徴ともいえる祝日です。言語や識字率向上の重要性を再確認し、教育や文化イベントが各地で開催されます。
韓国では文字を通じた民族の誇りが深く根付いており、ハングルの日は国民の文化的自立を称える意義ある日とされています。

世界各地 ― ハロウィン(Halloween) 日付:10月31日

もともとはケルト文化に由来し、秋の収穫と死者の霊を迎える儀式でしたが、現在はアメリカを中心に世界中で仮装やお菓子を楽しむイベントに進化しました。
日本でも近年は商業イベントとして定着し、若者を中心に街頭での仮装行列やSNSでの拡散が盛んに行われています。宗教色は薄まり、季節のイベントとして楽しまれています。

3. 日本と世界の10月の祝日比較表

4. Q&A:10月の祝日と世界との関係性は?

▶Q1. なぜ10月にスポーツの日があるの?

秋は暑さが和らぎ、運動に適した季節です。1964年の東京オリンピックの開催日(10月10日)を記念して設定された祝日で、現在は第2月曜日に移動。運動や健康への関心を高めるきっかけになっています。

▶Q2. ハロウィンは日本の祝日ではないのに、なぜ盛り上がる?

ハロウィンは祝日ではありませんが、商業イベントとして定着しました。仮装やイベントがSNS映えすることもあり、若者を中心に秋の定番行事となりました。

▶Q3. 文化や言葉を祝う祝日があるのはなぜ?

言語や文化はその国のアイデンティティを形成する大きな要素。韓国のハングルの日やインドのガンディー・ジェヤンティは、自国の価値観や歴史を未来に継承する日として設けられています。

5. 次回予告:11月 ― 学びと感謝が重なる月へ

11月は、日本では「文化の日」や「勤労感謝の日」があり、知的活動や日々の労働に光が当たる月です。世界でも学問・感謝・自由を祝う日が多く見られます。次回は「人と社会を支える価値」を軸に、文化的・社会的な意味を持つ祝日を紹介します。