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東京手描体験-台北・高雄無事終了しました

東京手描友禅:江戸時代から伝わる職人技

着物は、日本文化を象徴する最も古典的なもののひとつだが、中でも「友禅染」は、繊細な細工と華やかな色彩で知られる。特に東京で発展した「東京手描友禅」は、江戸時代から現代まで受け継がれてきた職人の技と美意識が息づくもので、「粋(いき)」と呼ばれる独特の精神が宿っています。

江戸時代に育まれた「東京友禅」

友禅の起源は17世紀にさかのぼり、京都で活躍した絵師、宮崎友禅斎によって創始されました。絵画技法を着物に応用し、アートと服飾の新しい表現を生み出しました。その後江戸に伝わり、町人文化が花開く中で京友禅や加賀友禅とは異なる「東京手描友禅」が育まれました。
東京友禅では華美な装飾を避け、あえて藍白を基調とした深みのある色調に、江戸の武家社会における質素で節度ある美意識が反映されています。江戸時代に求められた「粋」──気取らない洗練された美学です。

一人の職人が、作品全体に

京友禅や加賀友禅の分業制とは異なり、「東京手描友禅」では、一人の職人がデザイン、製図、染色まで一貫して行うことを技術だけでなく職人のこだわりとしている。
染料、水、筆使いなど、細部や品質へのこだわりが感じられる。

伝統工芸を現代に表現──小倉染三代目小倉隆さんに聞く

「伝統産業の家に生まれ、事業を継承することは、誰もができることではない。」
東京・新宿高田馬場で100年染色工房「小倉染芸」三代目小倉隆さんの生の声だ。
留学経験もあったが、希望の仕事は別にあった。家業を継ぐことは考えていなかった。異国の人々から日本文化を賞賛され、家業の価値を改めて見つめ直した。「父の仕事も、実はデザインのひとつなんです。」。
父の指導のもと、一滴一滴の染料濃度と筆のタッチまで、一から染め、調色を学び始めた。300本を超える筆は、それぞれに用途があり、着る人の内面の美しさや気品を引き出すことを目指している。

着物を日常に取り戻す

服飾ブランドとのコラボレーションや、国際ブランドのスパークリングワインのラベルデザイン、現代の商品デザインにも積極的に参加している。小倉さんは「私が求めているのは、安売りの服ではなく、『秘湯』のように、人生で一度は体験したい着物です。」と語る。
着物は糸をほどいて仕立て直し、後世に伝えることができるのが伝統工芸の魅力だ。今後は東京手描友禅を通じて、この文化遺産に触れ、知ってもらい、身に着けてもらいたいという。

イベントこぼれ話:東京手描友禅が高雄、台北に登場!

東京南青山不動産台北事務所のオープンを祝うため、関連企業とマレ日本物産専門店は2025年6月21日と22日、東京手描友禅体験イベントを共同で開催した。特別に小倉染芸三代目の小倉隆氏を台湾に招き、高雄と台北で染色技術を伝授してもらった。
北高で開催された2回のイベントはいずれも満席で、会場には参加者が手描による彩色を体験し、職人の伝承と革新の物語を聞くことができた。来場者からは「丁寧な手配、スタッフの親切、職人のプロを感じ、台湾で日本の伝統工芸を体験できるのはとても貴重です!」との声が多く寄せられた。会場には小倉氏のデザインした作品も多数展示され、参加者は東京手描友禅の魅力を身近に感じることができた。
今回の文化交流と交流を通して、東京手描友禅は単なる博物館の芸術ではなく、生活の中に入り込んだ文化体験であることが分かった。

江戸から現代まで「粋」な精神が受け継がれている

「東京手描友禅」は染色技術だけでなく、生活様式の延長でもあります。単なる布の図案ではなく、江戸っ子の粋な「誇張せず、内実をわきまえている。」を表します。一筆、一色に、職人の精神と日本の美学が凝縮されています。

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