LanguageLANG
Column

【東京駅】東京駅を知り尽くす!開業当初から受け継がれる赤レンガの駅舎から未来への飛躍とは

「東京駅と聞いてイメージするもの」を問われた際に、何を思い浮かべますか?
赤レンガの特徴的な駅舎、多くの高層ビルに囲まれている、日本の中心駅――など、東京駅の魅力は、一言では言い表せません。
今回は、東京駅の基本情報から周辺の住みやすさ、歴史や展望、おすすめスポットなどを紹介していきます。

赤レンガ造りが特徴的な東京駅の基本情報

東京駅は、東京都千代田区丸の内に存在する大規模なターミナル駅です。
東京駅といえば、赤レンガ造りの駅舎を思い浮かべるでしょう。レンガ造りの駅舎は、令和時代の日本には珍しく、文化的にも稀有な存在です。
かつては東京駅を高層ビル化する構想もありましたが、1914年(大正13年)に東京駅が竣工した当時から現在まで、レンガの駅舎は引き継がれています。

また、2021年の東京駅における1日の平均乗降客数は565,276人で、JR東日本の駅で4番目の多さになります。

出典:国土交通省 国土数値情報ダウンロードサイト「駅別乗降客数データ」
出典:統計情報リサーチ「東京駅(JR東日本)の乗降客数の統計」

東京駅の平日1日あたりの平均混雑度は以下のとおりです。

※JR東日本公式サイト「駅混雑状況」およびNAVITIME「混雑予報」より加工して独自に作成
※縦軸の数字により4つの混雑度に分類。非常に混雑している(200~250)、混雑している(150~200)、それほど混雑していない(100~150)、空いている(0~100)

東京駅への乗り入れ路線

東京駅では、東海道新幹線や東京メトロを含めると、全部で30本のプラットホームを有しています(2020年1月1日時点)。一般的な地方都市の駅のホーム数が約2〜4本であることと比べると、東京駅の規模の大きさを想像できるでしょう。

東京駅には、以下の15路線が乗り入れています。
JR東日本
● 京葉線・武蔵野線
● 総武線快速
● 中央線快速
● 東海道線(上野東京ライン、宇都宮線・高崎線、常磐線)
● 山手線
● 横須賀線
● 京浜東北線・根岸線
● 成田エクスプレス
● 東北・北海道新幹線
● 秋田新幹線
● 山形新幹線
● 上越新幹線
● 北陸新幹線
JR東海
● 東海道・山陽新幹線
地下鉄
● 東京メトロ丸ノ内線

これらの路線を使えば、東は銚子(千葉)、西は博多(福岡)、南は鎌倉や横須賀(神奈川)、北は新函館北斗(北海道)まで一直線でアクセスできます。
なお、二重橋前駅と大手町駅はそれぞれ地下通路で東京駅に直通しており、徒歩10分ほどの距離です。これによって東京メトロ千代田線や東西線、半蔵門線、都営三田線なども利用でき、雨の日でも乗り換えしやすいのが特徴です。
ほかにも東京駅から徒歩15分圏内には日本橋駅や京橋駅、有楽町駅などがあり、東京メトロ銀座線や有楽町線などの路線を利用しやすくなっています。

東京駅から主要駅・空港へのアクセス

東京駅から主要駅・空港への主なアクセス方法と、所要時間を紹介します。
● 新宿駅:JR中央線(高尾方面)で4駅
● 渋谷駅:JR山手線(外回り)で7駅
● 池袋駅:東京メトロ丸ノ内線(池袋方面)で8駅
● 羽田空港(第2ターミナル):JR山手線(外回り)またはJR京浜東北線(大船方面)の浜松町駅で乗り換え、東京モノレール(羽田空港方面・空港快速)で3駅(羽田空港第2ターミナル駅)
● 成田空港(第1ターミナル):成田エクスプレス(成田空港方面・特急)で3駅(成田空港駅)

東京駅から直通で行ける観光地

東京駅から新幹線を使うと、以下の地域に一本でアクセスできます。

東海道・山陽新幹線
● 熱海
● 名古屋
● 京都
● 新大阪
● 広島
● 博多
東北・北海道新幹線
● 仙台
● 新函館北斗
上越新幹線・北陸新幹線
● 軽井沢
● 金沢
● 福井

在来線なら、以下のスポットにも一本でアクセス可能です。
● 舞浜(JR京葉線)
● 鎌倉(JR横須賀線)
● 宇都宮(JR上野東京ライン)
● 甲府(JR中央線特急かいじ・あずさ)
● 松本(JR中央線特急あずさ)
● 出雲市(サンライズ出雲)
● 高松(サンライズ瀬戸)

東京駅に直結する高速バス乗り場(バスターミナル東京八重洲)にも、東北から九州まで各地への高速バスが発着。
東京駅は、まさに日本の交通ネットワークの要所として、全国各地へアクセス可能な高い利便性を持ちます。

「丸の内」と「八重洲」2つの顔を持つ東京駅エリアの魅力

東京駅周辺は、大きく西側の丸の内エリアと東側の八重洲エリアに分かれます。どちらのエリアも東京を代表するオフィス街ということが共通しますが、丸の内エリアにはオフィスビルに馴染むように皇居や日比谷公園、和田倉噴水公園などの自然が多く存在します。八重洲方面は、日本橋や三越前などにも近く下町の雰囲気が漂う一方で、近年は再開発が進められ先進的なビルも多く立ち並ぶエリアです。

また、2024年1月1日時点の東京駅周辺の地域の居住外国人数は、千代田区3,858人、中央区10,370人、港区21,278人です(出典:東京都の統計「第1表区市町村別国籍・地域別外国人人口 (上位10か国・地域)」)。

特に港区は2万人以上の外国人が住んでおり、その国籍も120以上とさまざま。その要因としては、大使館が多いことが挙げられます。千代田区や中央区にも、一定数の外国人が住んでることが分かります。

このような地域で成り立つ東京駅は全国各地にアクセスできる一方で、全国各地からも東京駅へアクセスしやすいのが特徴です。これによって全国各地からの物流も盛んなことから、東京駅周辺には各地の飲食店が集まりやすくなっています。日本食をはじめ世界のさまざまなグルメを楽しめるのも、外国人が住みたいと思える要素のひとつだといえるでしょう。

一部分が失われた赤レンガ駅舎は復活を遂げ、進化し続ける

東京駅が開業したのは1914年12月。当初は3階建てのレンガ造りの駅舎でした。赤レンガの駅舎は、日本近代建築のパイオニア・辰野金吾が設計を担当。外壁に使用された仕上げ用の赤レンガは、90万個を超えたといわれています。

1945年には、第二次世界大戦の空襲を受けて駅舎の屋根などが焼失してしまいます。1947年には空襲で失った3階部分が撤去され、2階建ての駅舎として再スタートを切りました。

その後、1964年の東京オリンピック開催に合わせて開業した東海道新幹線の始発駅となります。

2003年には「東京駅丸ノ内本屋」という正式名称(※)で、東京駅は国の重要文化財に指定されました(出典:文化庁「国指定文化財等データベース」)。
※「本屋」は「メインとなる建物」を意味する

2007年から2012年にかけて、焼失した駅舎部分の復原を含めた駅舎保存・復原工事が行われます。現存する駅舎を可能な限り保存し、失われた3階部分などを開業時の姿に復原。地下では大規模な免震化が図られ、昔の姿を復活させながらより強固な駅舎となったのです。

2014年には東京駅開業100周年を迎えましたが、東京駅周辺の進化はまだまだ止まりません。

2028年竣工予定のTorch Tower(トーチタワー)は、オフィスやホテル、商業施設をはじめ、展望施設も入る計画で、新たなランドマークとして輝きを放つでしょう。このような再開発が進めば、東京駅周辺はさらに活気に満ちたエリアとなることが期待できます。

東京駅の中では食べる・楽しむ・リフレッシュを体験できる

東京駅の中には、食べる・楽しむ・リフレッシュを一気に体験できる“エキナカ”(※)スポットが充実しています。ここでは、東京駅のエキナカにある3つの施設を紹介します。
※駅の構内に設置された商店街のこと。特に改札内のスペースに設けられ、改札を出なくても利用できることが魅力。

東京駅ならではのグルメやお土産が勢ぞろいする「グランスタ」

グランスタは、東京駅の地下にある大規模な商業施設です。

朝食、昼食、ティータイム、夕食、バータイムといったさまざまなシーンに合わせて利用できる多彩なジャンルの飲食店が並びます。有名店の味を手軽に楽しめるテイクアウトグルメや東京駅でしか買えない駅弁も揃います。

グランスタのレストランのひとつ「ステーション レストラン ザ セントラル」は、列車に乗りながら食事を楽しめる「食堂車両」をテーマにした店内となっています。かつて日本全国を走っていたJRの食堂車を再現しており、東京駅にいながら、列車で食事をしている感覚を味わえるのが特徴です。

食堂車の時代から80年以上の歴史を受け継いできた、トロトロに煮込まれた牛すじとデミグラスソースの相性抜群の看板メニュー「伝統のハヤシライス」をはじめ、懐かしいながらも新しい、こだわりの洋食を楽しめます。

日本のキャラクターやお菓子を思う存分楽しめるショッピングスポット「東京駅一番街」

日本ならではの文化を一気に楽しめるのが、東京駅一番街です。

東京キャラクターストリートには、ポケモンショップやハローキティショップといった日本を飛び越え世界でも人気のキャラクターショップが集まります。東京おかしランドは森永製菓やカルビーなど有名お菓子メーカーのアンテナショップが並びます。いずれのエリアも、東京駅でしか買えない限定商品が販売されています。

各地から人が集まりやすいという東京駅の特性が活かされ、さまざまな企業や店舗が魅力を発信するスポットです。

都内最大の売場面積を持つショッピングモール「ヤエチカ」

八重洲地下中央口に直結するヤエチカ(八重洲地下街)は、八重洲口地下にある日本最大級のショッピングモールです。ドラッグストアやファストファッションショップなども揃っており、日用品の購入場所としても手軽に活用できます。

ヤエチカにある4ヶ所の休憩スペースは、2023年12月に大幅リニューアル。ここでは、環境に配慮した素材を使用したリサイクルセラミックタイルなどが使用されています。

また、ヤエチカに入居する店舗では、衣料品の回収や環境に配慮したカトラリーの提供などのSDGsを意識した取り組みを実施しています。

東京駅周辺には伝統と革新が融合するスポットが存在

東京駅周辺にある5つのおすすめスポットを紹介します。ここで紹介するのは、休日のお出かけや仕事帰り、散歩などさまざまなシーンで活用できるスポットです。

カジュアルからフォーマルまでバラエティ豊かなグルメを楽しめる「新丸ビル」

新丸ビルは、オフィスと商業施設が入った複合高層ビルです。レストランフロアには、世界各地のレストランバーや、東京を中心に全国で親しまれている日本料理店があります。

5階にある「割烹ダイニング波里 HARII」では、三浦半島(神奈川)から直送された極上の鮮魚や信州(長野)から直送されたジビエや山菜など、時季ごとの旬の食材を使った和食を楽しめます。

同じく5階にある「かつ吉」は1958年に水道橋で創業したとんかつ屋で、新丸ビル店は2007年にオープン。店舗に入ると、正面には約500個もの佐賀伝統・伊万里焼の“そば猪口(ちょこ)”(※)がお出迎え。先進的な高層ビルの中で、岩手産の最上級の豚肉を使ったとんかつを味わえます。
※そばをつゆにつける器のこと。

また、新丸ビルの地下通路では、毎週金曜日に全国各地から集めた新鮮な食材のマルシェを開催。仕事帰りにもふらっと寄りやすく、東京の中心で気軽にマルシェを楽しめるスポットです。

郵便局舎を活用したグルメ・ショッピングスポット「KITTE丸の内」

旧東京中央郵便局の局舎の一部と、新たな建築部分がひとつとなったKITTE丸の内。保存部分と新築部分に囲まれたガラス天井が特徴で、この内装デザインは有名建築家の隈研吾氏が担当しています。

各フロアには、日本各地のご当地グルメを楽しめる飲食店や、日本ならではの美意識が満載な物販ショップが揃います。人と街と時代が交差し、歴史を感じながら日本の文化に触れられるため、観光や休日のお出かけにもぴったりなスポットです。

日本発のグルメやスイーツ、ブランドショップが多く入る「東京ミッドタウン八重洲」

東京ミッドタウン八重洲は、2023年3月にオープンした八重洲エリアの新たな複合商業施設。日本食や日本初の有名ブランドショップも多く、日本文化を存分に楽しめるスポットです。

1階にあるのが、東京・清澄白河にある人気パティスリーが構えるスイーツショップ「EN VEDETTE LUXE」。イートインスペースもあり、ひとりでも入りやすい雰囲気のお店です。高級感のある豊富な種類のケーキをはじめ、店舗限定のアイスクリームやパフェなども味わえます。

3階には、多彩な日本酒とこだわりの和食のペアリングを楽しめる「MOTO TOKYO」があります。日本酒と旬の食材を使った料理を通じて、「日本文化の素晴らしさ」を伝えたいという思いから生まれた日本酒バーです。日本酒を気軽に楽しめるスタンディングバーと、料理をゆっくり楽しめるカウンター席や個室席があり、シーンに合わせて利用できます。

ビジネス街にたたずむ“おしゃれストリート”でランチやティータイムを楽しめる「丸の内仲通り」

日比谷駅近くから東京駅前までをつなぐ丸の内のメインストリート、丸の内仲通り。通り沿いには、有名ブランドショップやおしゃれなレストラン、カフェなどが立ち並びます。

通り沿いの街路樹は、紅葉やイルミネーションなど季節ごとに異なる景色を楽しめるのも特徴です。洗練された都会のストリートを歩けば、ワクワクすること間違いないでしょう。東京駅方面から散歩しながらカフェで休憩、という楽しみ方もできそうです。

お花見や散歩帰りの休憩スポットとしても活用できる「和田倉噴水公園」

皇居外苑内にある人々の憩いの場が、和田倉噴水公園です。上皇陛下の御結婚を記念して作られたシンボルの大噴水をはじめ、複数の噴水が設置されています。

都心の先進的な高層ビルと自然の調和を楽しめる空間となっており、散歩やリフレッシュにぴったりなスポットです。春の桜の季節には、皇居周辺でお花見を楽しんだ後などの休憩スポットとしてもおすすめです。

赤レンガの産地から風景印まで!東京駅の知られざる豆知識

最後に、知っていると東京駅をもっと楽しめるような、東京駅に関する豆知識を紹介します。

丸の内駅舎に使用されているレンガの生産地

開業当初から今まで、東京駅の象徴ともいえる赤レンガの駅舎。駅舎に使われるレンガは、埼玉県深谷市産のものです。なぜ、深谷市産のレンガが使われているのでしょうか。

1887年、日本で初めての機械式レンガ工場が深谷市に設立されました。この工場は、渋沢栄一氏らの協力によって作られたのです。

工場設立後にレンガ生産に力を入れ、この工場で作られたレンガが当時の近代建築物に続々と使われました。そのひとつとして、当時建築していた東京駅にも深谷市産のレンガが使用された経緯があります。

かつて丸の内エリアにあった「ビルの高さ制限」

丸の内エリアでは皇居周辺の景観地区規制のため、ビルの高さが100尺(約31メートル)に規制されていたことがあります。この規制は、千代田区周辺が皇居の豊かな緑、濠や川等の水辺、東京駅、国会議事堂などの近代以降の歴史的建造物といった多様な景観を崩さないために定められていたものです。

戦後、この高さ制限は撤廃され、容積率(※)規制に変更されました。
※敷地の面積に対する建物の延べ床面積が占める割合

丸の内エリアは歴史建築を継承しながら、都市の高層化を実現しているといえるでしょう。

東京駅構内にある郵便ポストの秘密

東京駅構内の丸の内中央口近くにある郵便ポストに郵便物を投函すると、ほかのポストとは異なる現象が起こります。

このポストから回収された郵便物には、東京駅の絵柄が入った風景印(ご当地の消印)を押してもらえるのです。友人への手紙や特別な手紙などに、ぜひいかがでしょうか。

まとめ

2024年12月に開業110周年を迎える東京駅。長い歴史とともに、東京駅周辺はいまもなお、変化し続けています。

東京駅は日本全国へ向かう路線が乗り入れ、どこへ行くにも非常に便利な駅です。また、東京駅構内や周辺には日本の文化に触れられるさまざまなスポットがあり、生活に必要なものを揃えやすいのも大きなメリットでしょう。

東京駅周辺の不動産購入を検討されている方は、本記事で紹介した東京駅周辺の住みやすさなども参考になさってください。